DE10形は、DD13形に代わるディーゼル機関車として国鉄が設計し、昭和41(1966)年から昭和53(1978)年にかけて708両が製造されました。
 DE10形の軸数は5軸あります。DD13形よりも軸数が増えたことで、一軸にかかる軸重が軽減されました。これによって、DD13形では軸重の関係で制限のあった支線区の貨物列車や旅客列車の牽引に幅広く運用が可能になり、軸数の増加は粘着力を生み、貨物駅や操車場での入換機としても、多くの貨車を牽引できるようになりました。また、運転台を横向きに設置して、折り返し運転を頻繁に行う入換機の使い勝手をよくしました。
 嵯峨野観光鉄道に所属するDE10形1104号機は、昭和44(1969)年から昭和48(1973)年にかけて製造された1000番台で、基本番台よりも出力をアップした番台区分です。1000番台は合計210両が製造され、1104号機は昭和46(1971)年6月の製造です。
 DE10形には、番台区分などによって、入換や貨物列車の専用機があり、旅客列車の暖房に使用される蒸気発生装置(SG)を搭載せずに竣工したものもありますが、1000番台はSGを搭載して竣工しました。また、配置地域に応じて、暖地仕様、A寒地仕様、B寒地仕様に分けられ、1104号機は比較的寒冷な地域用のB寒地仕様のため、スノープロウなどを標準装備し、汽笛カバーも付いています。
 竣工後の1104号機は、国鉄福知山機関区へ新製配置され、その後、福知山機関区の後身の福知山運転区や福知山運転所の配置となり、JR化後も平成3(1991)年1月まで同所に在籍しました。そして、同年4月の嵯峨野トロッコ列車の開業に向けて、嵯峨野観光鉄道へ譲渡されることになりました。
 嵯峨野観光鉄道では、1104号機のタブレットキャッチャーや側面のナンバープレートを外して「嵯峨野」のロゴプレートを取り付け、国鉄色の塗色から嵯峨野観光鉄道の専用塗色にしました。運転は、転車台がないため、トロッコ嵯峨行きではDE10形が先頭ですが、トロッコ亀岡行きでは、先頭の客車(SK200形)にDE10形を遠隔操作できる運転台を設けて運転しています。
 万能なディーゼル機関車として各地で活躍してきたDE10形ですが、支線区の客車列車や貨物列車の減少が進んだことで廃車が進み、貨物の入換機としても、DF10形の老朽化やハイブリッド機関車HD300形の登場で、近年のJR貨物では100両前後の両数になっています。JR旅客会社では、今や数少ない両数になりましたが、JR北海道やJR西日本のトロッコ列車などで活躍が見られます。嵯峨野観光鉄道としても、長く親しまれてきたDE10形を今後も大切に運行していきたいと思っています。